デッサンのススメ『シテンを磨く』 1

この【デッサンのススメ『シテンを磨く』】は私自身が美大からサラリーマンへと進路を進めたことで、改めて気が付いた「デッサンを描きながら学んだものの見方」「視点」についてまとめていきたいと考えております。

 

今の時代、どんな職業の方でも人と同じ物を見て違う発想をすることはとても大切だと思うのですが、この「見る」方法、「読む」「書く」「計算」は学校で教わっても、「見る」ための授業があった人って少ないんですよね。

 

生まれたときからほとんどの人は、目で物を「見て」いますが、「視力」と「視覚」は少し違うそうです。

ビジョン・トレーニングの内藤貴雄先生曰く『視覚とは、見た情報に対して理解し、分析し、さらに自分がどう反応するかまでを含めた、広い意味での「見る力」。同じものを見ても、人によって理解した内容や反応は千差万別なのです。(中略)しかし、自然に備わる視力とは違い、視覚は大人になる成長のなかで、徐々に育まれるスキルなのです』 ―「「能力」を上げる視覚トレーニング」講談社・内藤貴雄―より

 

 

一般的に「絵は才能がないと描けない」と思われがちですが、モチーフデッサンのように「見た」ものをその通りに描く際、本当に必要なことは才能ではなくものの見方なのです。

 

 

「そんな大そうな見方があるの?」と思われるかもしれませんが、実際は「見えているものを認識するためにちょっとだけ慎重になってみること」と言ったらよいのかもしれません。

 

「美術は思うままに表現していくことが大切なことだよ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが(私もそう考える部分も沢山あります)、たまには「美術のこんな効用」もあってもいいかな、とも考えています。

そんなことをこの欄でお伝えしていけたらいいな、と思っています。

毎週土曜日に更新する予定ですので、あまり難しくならずに「ふ~ん、そんなもんか」と思っていただけたら嬉しいです。

 

それでは次週。お楽しみに!