デッサンのススメ 『シテンを磨く』3 - 立方体

この週末、クリスマスと同時に仕事納めだった方も多いようですね。皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

 

『シテンを磨く』3回目の今回は、少し鉛筆を動かしながら読んでいただけるといいな~、と思います。今回は基本的な形体・立方体を使った「知っている物と見えている物」の違いを少し考えてみたいと思います。

 

 

立方体。

日本人であれば大概の方はその定義も言えると思います。

もしも、これをお読みのあなたの近くにメモ用紙でもノートでもあったならば、ペンをいつもの利き手に持ってみて下さい。

そして、できれば立方体の物を探してみて、なければ想像で紙に立方体の画を書いてみて下さいね。

 

 

上手く書けました?

 

 

「完璧!」と思われた方はそれで結構です。

「なんだかおかしいな~」と思われた方、こんな感じになっていませんか?

 


hp_cubu_2.jpg
 

 

 またはこんな感じ

 

hp_cubu_1.jpgのサムネール画像 

この2個の立方体、言葉で定義した立方体を書いてみた場合には間違いとは言えない形です。

というのも、立方体の定義と言えば「正方形が6面合わさったもの」「正方形は向かい合った辺が平行で4辺が同じ長さの四角形」ですよね。

上の箱よりも下の箱の方がおかしく見えますが、下は向かい合った辺がそれぞれ平行に書かれています。

 

では、実際に目で見ている立方体はどうでしょう?

 

まず、簡単な所で正面から

cubu_正面.jpg

ちょっと斜め上から

cubu_上.jpg

これが一般的に「立方体」と言われた際に描きたい形でしょう。

cubu_斜め.jpg

 

よ~く見ると、立方体の1面が正方形に見えるのって、正面から見た時だけなんですよね。

あとは、何とも言えない四角形が並んでいるんです。

 

 

実はこれ、モチーフとして目の前に立方体があっても、最初の2つの画のようになりがちなんです。

 

 

意外と、見えている物を見えた通りに書き写せない、記憶されていない。

大人になればなるほど「絵が苦手」意識が高まるのは、この「自分では分かっている」と思っていることを自分自身で疑問に思いながら、たまには否定しながら見ないといけないからじゃないかな?と考えることがあります。思い込みを消せないような…

 

これに近い言葉で、アメリカで右脳と絵の関係を研究されているB.エドワーズ博士は著書の中でこのことを概念VS知覚とおっしゃっていました。

 

モチーフを見ながら絵を描く際にもある思い込みは、形のない物を見極める必要がある仕事の中だともっと気をつけないといけなくなりますよね。(私ももちろん、毎日たくさんの思い込みに反省ばかりですが…)

 

 

 

今回は小さい頃から知っていた図形でも思い込みってあるんだね、というお話でした。

これとは反対に、気づいていなかったけど実は見ていた感覚などもあるのですが、それは別の機会に。

 

それでは、皆様楽しい週末をお過ごし下さい。