デッサンのススメ『シテンを磨く』5-いろいろな角度から見てみると…

1月最後の週末、いかがお過ごしでしょうか?

 

毎週土曜日の デッサンのススメ『シテンを磨く』は、普段、余暇と思われがちなアートの中にビジネスにも役立つことがあるんじゃないかな、と考える視点について個人的な考え方をまとめています。

 

というのも、

「ものの見方を変える」って「ものの考え方を変える」と同じような意味で使われるくらい「見る力」は大切。

 

でも、「見る方法」って学校や他の場所でもなかなか教わらない。

 

美大生が受験で頑張る基礎的なデッサンは、対象物を見る方法を学ぶことでもあったりします。

「いろんな見方をしたらいいよ」とビジネスの現場でも言われるけれども、もっと「見ていること」を体感できるのがデッサンのいい所。

そんなことを考えながら今週も更新していきます!

 

 

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さて、今週のテーマ「いろいろな角度で見てみると…」

今日は、今の時期に美味しい果物の写真で試してみましょう。

 

 

リンゴ_1.jpgのサムネール画像

 

リンゴです。食卓でもお馴染みかと思います。

このリンゴ、どんな丸い形をしているか。ボールのような球体ではないですよね。

ただの楕円球?

 

リンゴ_2.jpg

 

リンゴを真上から見てみました。

なんとな~く5角形に見えます。

 

リンゴ_3.jpg

なんとなく5角形、と思って再度ゴロンと見てみると、ちょっと角ばった球体に見えてきませんか?

 

 

初めて鉛筆を持つ方の中には「リンゴは丸いものだから」とボールのような形に描いてしまうことがありますが、この「リンゴは丸い」って、頭の中にあった思い込みなんです。

 

 

少し目の位置を変えて、いろいろな角度から見てみると「そんな特徴があったの?」ということがよく見つかります。

 

 

これって、普段馴染みが深いものほど、よく観察しないと思い込みに嵌ってしまうこと。

そして、馴染みが深いものも角度を変えてみると新しい発見がまだあるかもしれない!こと。

 

もちろん、リンゴ1個で全てを悟るわけではないのですが、写実的に何かを描く場合はこんな発見をたくさんしていくことが大切です。

なぜなら、鉛筆を動かす手は、頭の中で「こういう形」とその時点で理解されている様にしか動かされないのですから。

 

だから「リンゴは丸い」とだけ考えていると、まん丸のリンゴを描いてしまって「何かが違う…」と思うのです。

 

「そんなことを言っても、昔から絵は下手で才能がないんだよ」というコメントが聞こえそうですが、それは、まずは一枚描いてみてから…。

 

出来上がったデッサンを見てみると、普段の生活で見落としがちなことが案外ダブっていたりしますよ。
と、何だか偉そうに書いていますが、私自身も見落としなんかしょっちゅうです(^ ^;)

 

 

ビジネスの現場でも起こりうる「見つけられる人」と「見つけられない人」。

 

 

 

デッサンが「見つける」訓練の一つになれば、アート(デッサンですけど)の社会的重要度も少し変わってくるのかな、と考えております。

 

 

宮城の小さな市から、そんな独り言のようなコラム【シテンを磨く】ですが、お時間つぶしにでもなれば幸いです。

 

 

それでは【シテンを磨く】はまた来週!皆様よい週末をお過ごし下さい。

(Gallery・Sinと、他のブログは平日も続きます)